気づいたときには遅いかも…!‟未然に防ぐ”熱中症対策

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まだまだ厳しい残暑が続いていますが、熱中症対策は万全でしょうか?

熱中症の原因は、日常のなかに潜んでおり、気づかないうちに「かくれ熱中症」になっている可能性もあります。

今回は、熱中症のシーン別のリスクと、予防のポイントについて、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。

通勤・在宅…それぞれに潜む熱中症リスクとは?

階段
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熱中症リスクは、生活のシーンによって異なります。

通勤・外出時と、在宅時のふたつに分けて見ていきましょう。

通勤・外出時

通勤や外出時は、熱中症リスクがもっとも高まりやすいタイミングです。

直射日光を浴びる場所に長時間とどまることは避け、日陰を選んで歩くように意識しましょう。

最近では、ハンディファンや首かけ型の小型扇風機なども人気です。

さらに、強い日差しを避けるには、日傘も有効。

女性だけでなく、男性にも使いやすいデザインのものも登場しているので、性別を問わず活用できます。

その時々の状況に応じて、熱中症対策グッズを使い分けましょう。

在宅時

「室内だから熱中症にならない」というのは誤解です。

実際、熱中症の約4割は室内で発生しているというデータもあります。

エアコンや扇風機を使い、室内環境を整え、水分補給もこまめに行いましょう。

また、パソコンなどの電子機器は、高負荷状態になると熱を発し、室温を上昇させる要因になります。

狭い部屋での使用は避け、熱がこもらないように排気口の掃除も行いましょう。

「水だけ」は逆効果?未然に防ぐ2つのポイント

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熱中症対策は「とにかく水を飲めばいい」という考えでは不十分です。

重要なふたつのポイントを解説します。

いつ・どれだけ・何を飲むか

水分補給は、のどが渇いたあとからでは遅いことがあります。

外出する際は、出かける前にあらかじめ水分を摂ることを心がけましょう。

水分量は、一度に大量ではなく、こまめに少しずつがポイントです。

人が一度に吸収できる水分量は約200mlといわれているので、一気飲みは避けましょう。

また、汗とともに塩分も失われるので、経口補水液やスポーツドリンク、食塩水などを摂取するのがおすすめです。

食塩水を作るときは、水1Lに対し、食塩1~2gを加えましょう。

食事からも補給

大量に汗をかくと、水分とともにナトリウムなどのミネラルも失われます。

これは、脱水症状や電解質異常の原因になることも。

それを防ぐには、食事からもナトリウムやカリウムなどのミネラルを補給しましょう。

ナトリウムを補給するなら、梅干しがおすすめです。

塩分補給に加え、クエン酸が豊富で、疲労物質を分解し、夏バテ症状の軽減を期待できます。

また、キュウリやスイカなどの夏野菜にはカリウムが豊富に含まれており、体内の水分調節を助けてくれます。

漢方薬で水分の巡りを整えるのもおすすめ

生薬
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熱中症対策には、漢方薬でからだの水分の巡りを整えるのもおすすめです。

漢方薬は、乱れたからだのバランスを整えることで、不調の改善をめざします。

また、漢方薬は植物、鉱物などの自然由来の生薬をもとに作られていて、一般的に西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれています。

生活を大きく変更しなくても飲むだけで済むので、生活にとり入れやすいこともメリットです。

漢方薬でかくれ熱中症の対策をするなら、
「胃腸の機能を回復し、水分の吸収を高める」
「からだの水分循環を改善し、からだ全体に水分を届ける」
などの働きが期待できる生薬を含む漢方薬を選びましょう。

<水分の巡りを整えるのにおすすめの漢方薬>

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

暑さで弱った胃に働きかけ、からだの熱を冷まして発汗で乾いたからだを潤す漢方薬です。

五苓散(ごれいさん)

水分の代謝をよくして、水の巡りを促して、からだの水分バランスを整えます。


漢方薬は、体質との相性も重要です。

相性がよくないと、本来の効果を得られないこともあります。

漢方に精通した医師や薬剤師に、ご自身のからだに合った漢方薬を選んでもらいましょう。

最近は、オンラインで利用できる「あんしん漢方」も人気です。

あんしん漢方は、体質診断、漢方薬の提案、アフターフォローに至るまですべてネット上で完結できます。

病院に行く時間がない方や、感染症への不安がある方にもおすすめです。

残暑も油断せずに体調管理を徹底しましょう

まだまだ暑い今の時期、気づかないうちに熱中症が進行しているかもしれません。

熱中症を防ぐには、事前の備えが何より大切です。

こまめな水分とミネラルの補給を意識しながら、体調をしっかり整えて、厳しい残暑を乗り切っていきましょう。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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