医師がハーブティーを“処方”？ドイツに見る日本とは異なるハーブの位置づけ

ドイツは、現代医療と並行して自然療法が深く根付いており、実際の現場でもさまざまな病気の治療に活用されています。

その歴史は古く、なかでも植物療法は自然由来の薬として重宝されてきました。

もちろん、ドイツの医療現場では抗生物質などの化学薬品も使用されますが、必要最小限にとどめ、妊婦や乳幼児など副作用リスクが懸念される患者には、自然由来の薬が選ばれる傾向があります。

また、「ハイルプラクティカー」という国家資格も存在し、資格者が民間療法やハーブ療法などの補完代替医療を提供することができます。

日本では、ハーブティーは主に嗜好品やリラックス目的で楽しまれていますが、ドイツではそれに加えて、「医療」や「健康維持」の観点からも重要視されています。

医師が「薬」としてハーブティーを処方することもあるのです。

こうした背景には、ドイツのハーブティーの歴史が深く関係しています。

ドイツでのハーブ栽培は、古代から始まり、中世には修道院で行われていました。

19世紀以降も、健康志向や自然回帰の流れのなかでハーブは高く評価され、現在に至っています。

また、1978年にはドイツ政府が「コミッションE」というハーブの安全性を審査するための委員会を設立しました。

この委員会は、使用法から副作用、薬物相互作用まで厳しく検証し、情報を公表しています。

このようにドイツでは、ハーブが公的に認められており、日本と比べるとドイツはハーブ先進国といえるでしょう。

ハーブティーは嗜好品としても広く浸透しており、日常生活におけるリラックスタイムはもちろん、伝統行事や特別な儀式の場面にも用いられています。

ドイツでは、生活のあらゆる場面でハーブティーが身近に存在しているのです。

夏は、冷房によってのどを痛めやすい季節です。

そんなときにおすすめなのが、ハーブティーのなかでも消炎作用が期待できるミントティー。

のどの腫れやイガイガ感を軽減してくれるだけでなく、スッキリとした冷感作用があるので、のどの調子を整えるのにピッタリです。

ハーブティーのように、からだへの負担を抑えながら不調に対応する手段として、「漢方」も挙げられます。

漢方の基本理念は、バランスの崩れた体質を見直して整え、不調の根本からの改善をめざすというもの。

漢方薬は植物や鉱物といった自然由来の生薬をもとに作られており、一般的に西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれています。

ハーブティーのように、自然由来にこだわる方にも最適です。

冷房によるのどの乾燥対策には、
「水分の巡りをよくして、粘膜に潤いを与える」
「自律神経のバランスを整えて、免疫力をアップする」
「のどの痛みを軽減する」
といった働きを持つ生薬を含む漢方薬を使用しましょう。

粘膜に潤いを与え、乾いた咳や咽頭炎などに効果的です。

たんや炎症を抑えて、声の出しすぎや乾燥による喉の腫れや痛みを抑えます。

漢方薬は、体質との相性も重要です。

体質と合わない漢方薬を使ったところで本来期待する効果は得られません。

漢方に精通した医師や薬剤師に、ご自身のからだに合った漢方薬を提案してもらいましょう。

もっと気軽に漢方薬を試してみたい方には、オンライン漢方薬サービスの「あんしん漢方」がおすすめ。

スマホ1台でも簡単に利用でき、体質診断、漢方薬の提案、アフターフォローまで、すべて漢方に携わるプロが担当してくれます。

ドイツにおけるハーブティーは、嗜好品にとどまらず、医療の現場でも活躍しています。

からだに負担をかけず、調子を整えるのに最適なハーブティーは、体調を崩しがちな夏にこそおすすめです。

医師
木村 眞樹子（きむらまきこ）

都内大学病院､KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。
総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医｡
産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。