【薬剤師監修】漢方薬っていったいどんなもの?メリット・デメリット徹底解説

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「なんとなく体調がすぐれない」「薬を飲んでも根本的によくならない……」そんなときに耳にする漢方薬。

しかし、「なんだか難しそう」「効くまでに時間がかかるのでは?」と感じて、試すのをためらう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そもそも漢方薬とは何かという基本から、自分に合った漢方薬の選び方までを、あんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに教えていただきます。

そもそも漢方薬って何?

野菜
出典:Pixabay


漢方薬は植物(生薬)や鉱物、動物由来の素材を組み合わせて作られ、「病気そのもの」よりも「人そのもの(体質)」に着目して治療を行うのが特徴です。

たとえば、「風邪薬」といっても、漢方薬では冷えからくる風邪と熱からくる風邪では使う薬が違います。

これは漢方薬が、症状の背景にある「からだの状態の乱れ」に働きかけることで、根本的な改善を目指しているためです。

日本では現在、医師によって処方される漢方薬(医療用)だけでなく、ドラッグストアなどで購入できる一般用漢方薬も多く出回っています。

メリット・デメリットをざっくり比較!

メリット&デメリット
出典:Photo-ac

漢方薬は近年「からだにやさしい薬」として注目されていますが、実際にはどんな利点や注意点があるのでしょうか?

ここでは、メリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

メリット

まずはメリットからみていきましょう。

根本から体質改善を目指せる

漢方薬の最大の魅力は、「症状」だけでなく「体質」そのものにアプローチできる点です。

たとえば「冷え性」「月経不順」「自律神経の乱れ」などの症状にも効果が期待できるといわれています。

副作用が比較的少ない

化学薬品ではないため、西洋薬に比べて副作用が少ないとされています。

もちろんゼロではありませんが、長期服用にも適しているとされ、慢性的な不調の解消に向いているといえるでしょう。

西洋薬との併用が可能

最近では、西洋薬と漢方薬を併用して治療を進める「統合医療」も一般的です。

ただし、併用する際は必ず専門の医師の指示に従うようにしましょう。

精神面へのアプローチも可能

「気(エネルギー)のめぐりをよくする」「ストレスによる体調不良を整える」など、身体面だけでなく、精神面にもアプローチできるのが漢方薬の強みです。

デメリット

漢方薬には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。

服用する前にきちんと確認しておきましょう。

効果が出るまでに時間がかかる場合もある

漢方薬は「即効性」よりも「持続性・根本治療」を重視するため、効果があらわれるまでに数週間〜数か月かかることがあります。

そのため、急性の症状には向かない場合もあります。

味や匂いが苦手な人も

独特の苦味や匂いがあるため、漢方薬の服用が億劫になることもあるでしょう。

最近では錠剤やカプセル型のものもありますが、粉タイプのものは慣れるまで時間がかかるかもしれません。

体質によって合う・合わないがある

万人に合う漢方薬はありません。

自分の体質や状態に合わない薬を飲んでも効果が感じられず、場合によっては悪化することもあります。

保険適用外の場合もある

保険が効く処方漢方薬もありますが、市販薬や自由診療では高額になることも。

継続的に飲む場合は、コスト面での検討も必要です。

あなたに合う漢方薬の見つけ方

聴診器
出典:Unsplash

漢方薬は自分に合ったものでないと、副作用が生じたり効果が感じられなかったりする場合があります。

そのため、自分にぴったり合うものを見つけることが大切です。

市販のものを購入する際は、解消したい症状や自分の普段の体質、生活習慣などを加味して選ぶようにしましょう。

ただし、「なんとなくよさそう」と、自己判断で飲み続けるのはおすすめできません。

とくに、初めて漢方薬を服用する場合は、漢方専門の医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。

専門家に相談することで、自分の体質に合った漢方薬を選ぶことができますよ。

自分に合った漢方薬で体質改善を

漢方薬は、体質や心のバランスに寄り添ってくれるものです。

メリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った方法で取り入れれば、日々の不調を和らげる大きな味方になってくれます。

専門家の力も借りながら、上手に活用してみましょう。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。
症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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