「すごく拡がりがある食材」注目の‟酢酸菌にごり酢”と日本食文化の未来

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酢酸菌にごり酢に注目が集まる中、農林水産省「フードテック官民協議会」内の「美食テックWT」による第3回セミナーが開催されました。

本セミナーでは、日本の食文化のさらなる発展を目指し、発酵食品として注目を浴びる酢酸菌についての事例紹介やトークセッションが行われました。

そもそも酢酸菌(さくさんきん)とは・・・

酢酸菌にごり酢
出典:beautyまとめ

酢酸菌とは、アルコールからお酢の成分である酢酸を作る菌の総称です。

最近注目されているお酢には、全身の免疫を整えたり、花粉症などのアレルギー症状を和らげたり、飲酒時の体調をサポートするといった効果が期待されています。

日本の発酵食品文化とも深く関係しており、黒酢にごり酢、コンブチャなどに含まれているのも特徴です。


料理人から見たにごり酢の魅力

酢酸菌にごり酢
出典:beautyまとめ

堀知佐子さんは、「健康をつくるのは難しいことではなく、日々の食事の積み重ね」と語り、味噌汁や海藻、漬物、魚介類など和食の要素を見直すことの大切さを訴えました。

中でも酢酸菌を含むにごり酢は、旨味成分が豊富で減塩にもつながるとして、和食の調味料として非常に理想的だと評価。

「食は体を作るだけでなく、心を癒し、家族や地域の絆を強めるもの」とし、料理人として「心の栄養」を提供する重要性を伝えました。


酢酸菌の健康効果をキユーピーの研究者・奥山さん が紹介

酢酸菌にごり酢
出典:beautyまとめ

キユーピーの奥山洋平さんは、マヨネーズ製造に必要なお酢と酢酸菌の関係について紹介しました。

お酢は酢酸菌が酒を発酵させて作るもので、同社では1962年にキユーピー醸造を設立し、西洋酢の製造技術を確立しています。実はマヨネーズとお酢は、とっても縁がある食材であることがわかりました。

奥山さんは、江戸時代の製法を再現した「酢酸菌にごり酢」の開発背景を解説され、 江戸時代の粗ろ過製法を現代に蘇らせた「にごり酢」は、酢酸菌を多く含むことで、旨味がより際立ち、健康効果の高さも期待されると説明されました。

酢酸菌は、pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)を活性化し、免疫バランスを整える働きが臨床試験で確認されているほか、風邪や花粉症、疲労感、倦怠感など、現代人が抱える4大不調への有効性もあるんだとか。また、乳酸菌や納豆菌との相乗効果もあり、アレルギー症状の軽減にも一役買ってくれるそうです。

さらに、「酢酸菌にごり酢」の4週間摂取試験では、排便回数や便の状態、便量が改善されたというデータも示され、腸活にも好影響を与えることがわかっています。

このように、「酢酸菌にごり酢」は積極的に摂りたい健康食材であることが示唆されました。

奥山さんは、11月25日を「いいにごり酢の日」として制定し、日本の食文化の新しい価値を創造していきたいと、更なる意気込みを語ってくれました。


農水省・勝野美江さん「すごく拡がりがある食材」

会後半のトークセッションでは、農水省・勝野美江さんより、 「雑味とか雑穀など日本の食文化でにごりを食べる文化があった。にごり酢も、健康&食文化を考えた時『すごく拡がりがある食材』だと思います」と太鼓判を押すコメントも。会全体を通して、「酢酸菌にごり酢」の可能性を大きく感じることができる時間となりました。
「酢酸菌にごり酢」は、味の奥深さと健康価値を兼ね備えた、これからの日本食を支える調味料として注目されています。

日々の食卓に少しずつ取り入れることで、体と心の健康に寄り添う新しい食文化が広がっていくかもしれませんね。
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