眠りが浅い原因は“腸”だった？ぐっすり眠るための腸活習慣とは

浅い眠りは、ストレスや体内時計の乱れ、外部環境など、さまざまな理由によって引き起こされます。

たとえば、新生活のスタートによる人間関係の変化や、不規則な睡眠によりからだのリズムが崩れることも大きな原因です。

また、騒音や室内の温度・湿度など、睡眠環境の影響によって睡眠の質が低下することもあります。


眠りが浅くなると、集中力や記憶力の低下を始め、ストレスの増大、さらには肥満や糖尿病リスクの上昇など、健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

一見、関連がなさそうに思える腸活と睡眠ですが、実は密接なつながりがあります。


腸内細菌の集まりである腸内細菌叢（腸内フローラ）の状態が、睡眠の質に関わっているといわれています。

実際、腸内細菌叢を除去したマウスでは睡眠の質が低下していたという実験結果もあり、腸内細菌叢が睡眠に影響を与えることが示唆されているのです。

また、睡眠ホルモンのメラトニンの生成にも腸内環境が深く関与していて、メラトニンの原料となる「トリプトファン」という栄養素は、腸内細菌がタンパク質を分解・合成して作り出します。


そのため、腸内環境が良好なほど、メラトニンもしっかりと作られやすくなります。

腸活の基本は、主食（穀類など）、主菜（肉・魚・卵など）、副菜（野菜など）のように、バランスのとれた食事を意識することです。

とくに現代の日本人は、食物繊維の摂取が不足しがちです。食物繊維を意識的に摂取し、善玉菌を活性化させて腸活につなげましょう。

食物繊維を多く含む代表的な食材は以下の通りです。

玄米、大麦、とうもろこしなど

大豆、納豆など

さつまいも、こんにゃくなど

ごぼう、キャベツ、白菜など

しいたけ、しめじなど

わかめ、めかぶなど

食物繊維は毎日継続して摂取することが大切です。

日々の食卓にバランスよくとり入れましょう。

腸活には漢方薬もおすすめです。

漢方薬は、からだと心のバランスを整え、体質を変えることで、不調にアプローチしていきます。

腸内環境の改善にも役立つとされています。


漢方薬で腸活を行うなら、
「腸の動きを正常化する」
「プレバイオティクス（腸内細菌の餌）を増やす」
「自律神経のバランスを整えて、ストレスによる腸内環境の悪化を防ぐ」
といった作用が期待できる漢方薬を選びましょう。

栄養やエネルギーを補い、胃腸の機能を整え、疲労などに働きかけます。

からだの余分な熱をとり除き、血流や水分代謝を促し、便秘や肥満を改善します。

漢方薬を使うときは、体質との相性を考えましょう。

体質と合っていない漢方薬を使っても、本来の効果は得られません。

漢方に精通した医師や薬剤師にアドバイスを求めるのもおすすめです。

腸内環境と睡眠の質は、密接に関係しています。

腸内細菌叢のバランスが整うことで、睡眠ホルモンであるメラトニンがスムーズに生成され、質の高い睡眠へとつながります。


腸内環境を整えるためには、バランスのとれた食生活が重要です。

とくに、不足しがちな食物繊維をしっかりと補い、正しい腸活を意識していきましょう。

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗（なかだ さなえ）

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。
症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。